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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻11号

1992年11月発行

文献概要

今月の主題 大腸pm癌 序説

大腸pm癌の浸潤パターンと臨床診断の問題点

著者: 丸山雅一1

所属機関: 1癌研究会附属病院内科

ページ範囲:P.1249 - P.1252

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深達度と浸潤パターン

 大腸の各層構造の中では固有筋層は最も厚い層である.したがって,癌浸潤の最深部を深達度と定義するだけでは,その多様性を表現できない.言い方を換えると,単に深達度というコンセプトでpm癌を考えたのでは事の本質を見失うのではないか.あくまでも,癌の厚さを浸潤パターンと見なして,病変群を類型化し,臨床診断と治療の有り方を検討すべきではないのか.

 X線診断の立場から言うと,pm癌による変形はあまりにも多様性に富んでいる(Fig. 1)1).ということは,pm癌の深達度は診断できないということである.これは,筆者が既に記載している1).しかし,側面像における変形と深達度の関係を分析したこの仕事の目的は早期癌の診断の可能性に向けられすぎていたために,pm癌の場合の変形が何故このように多彩であるのかということについては,1つの解答を得ていたにもかかわらず,それを書き留めておく余裕がなかった.また,その解答に基づいて,pm癌の病変を整理しておくことを怠ってしまった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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