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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻11号

1992年11月発行

今月の主題 大腸pm癌

主題

大腸pm癌の病理学的特徴

著者: 吉田正一1 加藤洋1 柳沢昭夫1 丸山雅一2 畦倉薫3 太田博俊3

所属機関: 1癌研究会癌研究所病理 2癌研究会附属病院内科 3癌研究会附属病院外科

ページ範囲:P.1261 - P.1267

文献概要

要旨 大腸pm癌の病理学的特徴を明らかにするために,結腸癌(52病変)と直腸癌(100病変)で,それぞれ,癌巣の固有筋層への深達度が内輪筋層までのpm癌(pm-C癌)と外縦走筋層に達するpm癌(pm-L癌)とに分けて臨床病理学的に分析し,また,わずかに固有筋層を越えて浸潤するSS1(a1)癌と比較検討した.pm癌では,直腸が全症例の2/3を占めて,結腸より腫瘍径・リンパ節転移率が大きく,直腸のpm-L癌が最も悪性度が高かった.しかし,固有筋層を越えることによって急に生物学的悪性度が増すことはなく,特に結腸のSS1癌はpm癌とほぼ同列に扱ってもよいものと思われた.また,pm癌にしばしば認められる潰瘍底の浅い半隆起型病変を,潰瘍型と診断されたものの中から“中間型”として選び,腫瘤型および深い潰瘍型と比較検討した.従来の腫瘤型と潰瘍型の分類では,pm-Cのレベルで既に潰瘍型が過半数を占めたが,“中間型”を設けることによって進行癌の形態変化は深達度と共に緩やかに深い潰瘍型へ移行し,その過程に結腸と直腸とで差があることが示唆された.また,“中間型”と深い潰瘍型のリンパ節転移率は,有意に後者のほうが高かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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