文献詳細
今月の主題 大腸pm癌
主題
文献概要
要旨 最近ではリンパ節転移の術前診断が可能である.そこでリンパ節転移を含めた術前の所見から直腸pm癌の治療方針を検討した.自験直腸pm癌のうちリンパ節転移例の5年生存率は58.7%,肛門癌の5年生存率は75.8%,中分化腺癌の5年生存率は83.5%であり,これらは再発の危険因子と考えられた.一方これらの因子でないもの,すなわちリンパ節転移がなく,高分化腺癌で,RsとRaとRbの直腸pm癌の5年生存率は96.5%であるので,R3でかつ自律神経温存手術の適応としてよい.この場合でも,Rbでは骨盤神経叢は温存して側方リンパ節を郭清する.リンパ節転移例,中分化腺癌,肛門部癌では自律神経を温存せずに側方リンパ節を郭清し,R3の手術を行う.
掲載誌情報