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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻11号

1992年11月発行

Coffee Break

大腸癌の組織診断基準を変えることの必然性

著者: 中村恭一

所属機関: 1東京医科歯科大学第1病理

ページ範囲:P.1314 - P.1315

文献概要

 癌腫は“上皮から発生した悪性腫瘍”と定義されていて,現在,広く世界で用いられている共通用語となっている.それは大腸の癌についても同様である.

 ところが,大腸癌は粘膜から発生するにもかかわらず,欧米では,たとえ組織学的に明らかな癌である異型腺管群が粘膜内に存在していても,それを“癌”とはしない.“異型度著明な腺管群の粘膜下組織浸潤をもって癌とする”という癌組織診断基準が一般的に流布しているためである.どうしてそのように定義されているのかというと,粘膜内癌を“癌”と診断すると過度の手術がなされるからという.しかし,それは粘膜切除ですむことであり,癌すなわち拡大手術を意味するものではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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