icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻11号

1992年11月発行

症例

A型胃炎に合併した多発性胃カルチノイドの1例

著者: 滝内比呂也1 芦田潔1 鄭鳳鉉1 田中雅也1 阪口正博1 岡成樹1 梅垣英次1 浅田修二1 平田一郎1 大柴三郎1 岡島邦雄2

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2大阪医科大学一般・消化器外科

ページ範囲:P.1323 - P.1328

文献概要

要旨 患者は39歳,男性.検診で胃ポリープを指摘され精査目的にて人院.X線・内視鏡検査で胃体部を中心に1cm以下の小ポリープの多発が認められ,生検にてカルチノイドとの診断を得た.内分泌学的検査において高ガストリン血症(2,400pg/ml)がみられ,24時間胃内pHモニタリングでは昼夜を問わず持続的なpH上昇が認められたことから,A型胃炎に伴う多発性胃カルチノイドとの診断にて胃全摘術およびリンパ節郭清を行った.組織学的には,胃底腺の著明な萎縮をみる粘膜を背景として,カルチノイド腫瘍および内分泌細胞微小胞巣の増生が認められたことより,高ガストリン血症のtrophic actionによりenterochromaffin-like cellの過形成,腫瘍化が起きた症例であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら