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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻12号

1992年12月発行

文献概要

今月の主題 難治性胃潰瘍(1)治癒予測を中心に 主題

病態生理からみた難治性胃潰瘍

著者: 芦田潔1 阪口正博1 大坂直文1 田中雅也1 大柴三郎1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科

ページ範囲:P.1357 - P.1364

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要旨 難治性胃潰瘍と易治性胃潰瘍に対してH2ブロッカー投与下に24時間胃内pHモニタリングを施行し,両者を比較することによって胃液酸度の面から難治性胃潰瘍の病態を検討した.pH 3 holding time rate,平均pH値,胃内pH-profile をパラメーターとして両者を比較すると,夜間には全く差はなく,食事などの酸分泌刺激のある日中には有意な差が認められた.日中のpH 3 holding time rateは難治性胃潰瘍ではすべて45%以下であり,45%以上であった易治性胃潰瘍と判別できた.したがって,日中の胃液酸度の充進が難治性胃潰瘍の病態であると考えられた.また,この日中の胃液酸度を抑制することが難治性胃潰瘍の治療に有効であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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