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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻12号

1992年12月発行

文献概要

今月の主題 難治性胃潰瘍(1)治癒予測を中心に 主題

難治性胃潰瘍―X線所見を中心に

著者: 岡田光男1 八尾恒良2 吉永一彦3 城谷拓郎1 桜井俊弘2 岡田安浩4 坂本清人5 杉山謙二6 大蔵元7 伊達弘一8 飯田三雄9 瀬尾充1 原忍1 畠山貞宗2

所属機関: 1福岡大学医学部第1内科 2福岡大学筑紫病院消化器科 3福岡大学医学部社会医学系総合研究室 4福岡赤十字病院内科 5九州中央病院内科 6佐田病院 7福岡市医師会成人病センター 8町立芦屋中央病院内科 9九州大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1365 - P.1383

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要旨 H2受容体拮抗薬あるいはomeprazole治療にて8週間で治癒しなかった胃潰瘍47例(難治群)と8週以内に治癒し,かつ難治群と大きさをマッチさせた62例(易治群)の間で,治療開始時のX線所見を最初に単変量分析で比較し,次いで多重ロジスティックモデルを用いていかなる要因が両群の判別に有効であるかを検討した.単変量分析にて難治群に有意に多かったX線所見は胃角小彎の線状潰瘍,深い潰瘍,Schwellungshof以外の潰瘍壁のあるもの,粘膜集中高度なもの,粘膜のまくれこみ,潰瘍底の不整,線状潰瘍の間接所見としての前庭部小彎短縮,囊状胃,小彎のU字変形であった.多重ロジスティックモデルを用いて,X線所見からみた難治性潰瘍の予測を行ったところ,小彎のU字変形,Schwellungshof以外の潰瘍壁のあるもの,および粘膜集中高度の3要因が有意かつ独立の難治要因となり,それぞれの相対危険度は14倍,14倍,12倍となった.そして,小彎のU字変形のあるもの,Schwellungshof以外の潰瘍壁のあるもの,および粘膜集中高度なものが難治性潰瘍である確率はそれぞれ72%,72%,69%と判定された.これらの要因が2つ以上あればほぼ100%が難治性潰瘍と予測できた.X線所見に内視鏡所見を加えても両群の判別率は向上しなかったが,上記X線所見に治療開始後2週間以内の症状消失の有無が加われば両群の判別率は更に向上した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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