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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻12号

1992年12月発行

今月の主題 難治性胃潰瘍(1)治癒予測を中心に

主題

難治性胃潰瘍―内視鏡所見を中心に

著者: 大井田正人1 林弘美1 今泉弘1 菊池新1 中井久雄1 田辺聡1 小泉和三郎1 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学医学部内科

ページ範囲:P.1393 - P.1401

文献概要

要旨 H2ブロッカー療法下の胃潰瘍の難治性について検討した.その結果,8週未治癒の潰瘍を難治性潰瘍とすることが妥当と考えられた.難治性を規定する諸因子は,潰瘍の形,潰瘍型,皺襞集中,縮小過程,周辺隆起,硬さなどであり,H2ブロッカー剤の登場によっても形態的特徴に変化はなかった.次いで,潰瘍の深さ(Ul)別の特徴をみると,Ul-Ⅳの平均治癒期間は16.9週と難治性で,形態的にも上述した難治性潰瘍の所見を呈していた.Ul-Ⅱでは,Ul-Ⅳの形態的特徴は全くみられず,かつ平均治癒期間も4.8週と易治性であった.Ul-Ⅲの内視鏡所見はUl-ⅡとUl-Ⅳの特徴が混在していた.平均治癒期間も10.5週と難治であったが,8週治癒率は約6割と易治のものも多く,両者の性格を併せ持つと考えられた.拡大観察では,易治性潰瘍ほど活動期より柵状や紡錘状の再生粘膜模様が観察された.難治性潰瘍では,結節状粘膜の占める割合が多かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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