icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻12号

1992年12月発行

文献概要

今月の主題 難治性胃潰瘍(1)治癒予測を中心に 主題

潰瘍瘢痕の内視鏡観察からみた難治性胃潰瘍の特徴と予後

著者: 榊信廣1 門馬久美子1 山田義也1 田所康正1 田島強2

所属機関: 1東京都立駒込病院内科 2東京都立駒込病院内視鏡科

ページ範囲:P.1403 - P.1411

文献購入ページに移動
要旨 筆者らは拡大内視鏡観察した瘢痕所見から再発の予測が可能なことを報告してきたが,Sa(中心陥凹あり),Sb(中心まで粗大再生粘膜模様),Sc(周囲同様の微細粘膜模様)の瘢痕分類は通常内視鏡でも判定可能であった.通常内視鏡による2年間の経過観察で,易治性胃潰瘍群33例では67%がSc瘢痕に移行して再発は18%であったのに対し,難治性胃潰瘍群28例では68%がSa瘢痕で経過して再発が71%と高率であった.Ul-Ⅳ潰瘍の特徴である境界明確な顆粒状再生粘膜模様面である瘢痕帯は,易治群18%に対して難治群では71%に認められた.以上の結果より,胃潰瘍の難治性とその易再発性は,組織欠損の深さに起因すると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?