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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻12号

1992年12月発行

文献概要

今月の主題 難治性胃潰瘍(1)治癒予測を中心に 主題

難治性胃潰瘍―EUS所見を中心に

著者: 丹羽康正1 塚本純久1 芳金弘昭1 下平雅哉1 丸田真也1 宮田章弘1

所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1413 - P.1421

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要旨 難治性胃潰瘍の超音波内視鏡(EUS)像について検討した.8週間以内に白苔の消失をみなかったものを難治として,活動期からH2ブロッカー単独あるいは防御因子増強剤併用にて94病変を治療し,プロトンポンプ阻害剤(PPI)単独あるいは併用にて46病変を治療し経過観察した.H2ブロッカー治療群全体の8週後の内視鏡的累積治癒率は68%であった.H2ブロッカー投与時の難治性胃潰瘍のEUS所見は,①Ul-Ⅳ,②Bf type,③潰瘍領域の断面積が400mm2以上,④潰瘍領域の収縮率が不良,の4点であった.PPIが投与された46病変全例で8週間以内に白苔が消失した.しかし,H2ブロッカー抵抗性潰瘍にPPIを投与し白苔が消失した例では,深部に幅広く潰瘍エコーが残存していた.真の意味で難治性胃潰瘍を克服するには潰瘍内部の治癒が不可欠と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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