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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻12号

1992年12月発行

今月の主題 難治性胃潰瘍(1)治癒予測を中心に

主題

難治性胃潰瘍の病理形態学的特徴―新しい視点からみた胃潰瘍の治癒過程と難治化

著者: 渡辺英伸1 本山悌一1 岩渕三哉1 味岡洋一1 太田玉紀1 白浜龍興2

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理 2自衛隊中央病院内科

ページ範囲:P.1423 - P.1434

文献概要

要旨 胃潰瘍の治癒に働く組織因子は再生上皮と間葉組織である.この治癒には,間葉組織による潰瘍の収縮,潰瘍底の挙上・浅化,再生上皮による潰瘍表面の被覆,および間葉組織と再生上皮の順調な経時的変化が重要である.今日まで,再生上皮の研究に比べ,間葉組織のそれは極めて貧弱であった.筆者らは,初めて,間葉組織の経時的変化を明らかにした.そして,内側線維症と外側線維症が存在し,それらが潰瘍収縮,潰瘍底の挙上・浅化に重要であることを明確にした.内側線維症は筋線維芽細胞や線維芽細胞から形成され,膠原・筋線維症となり,最終的に平滑筋束のみとなり,筋層融合像や厚い粘膜筋板の形態をとって,永続して残存することも明らかにした.一方,外側線維症は膠原線維症となり,後に消失することも明らかにした.これら新知見を基にして,難治性胃潰瘍の形態学的特徴を述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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