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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻2号

1992年02月発行

今月の主題 食道表在癌の深達度を読む

主題

肉眼像からみた食道表在癌の深達度の読み方

著者: 海上雅光1 八巻悟郎2 鶴丸昌彦3

所属機関: 1虎の門病院病理部 2虎の門病院病理部放射線診断学科 3虎の門病院病理部消化器外科

ページ範囲:P.139 - P.155

文献概要

要旨 食道表在癌136例(ep癌29例,mm癌26例,sm癌81例)を用いて,肉眼像から見た深達度診断について検討した.広く受け入れられる判定基準を得るためには,まず食道新鮮標本の取り扱いが重要で,120~150%程度に伸展して写真撮影および固定を行う必要がある.このようにして得られた標本を用いての検討では以下に示す結果であった.隆起性病変では隆起の高さが最も重要な指標となり,2mm以上はsm,1mm以下はep~mmの確率が高い.隆起の立ち上がり方,色調も深達度診断に有用で,隆起の高さにそれらを加味することにより診断の精度が向上する.陥凹性病変では,陥凹の深さが最も重要である.深さ0.5mm未満はep~mm癌,0.5mmを越えればsm癌の可能性が高く,lmmを越えればsm以上に浸潤している.陥凹底の穎粒状変化も重要で,色調差も参考になる.混合型は隆起,陥凹の各要素ごとの判定基準を適用すれば,概ね妥当な深達度診断が可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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