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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻2号

1992年02月発行

文献概要

今月の主題 食道表在癌の深達度を読む 主題

内視鏡による食道表在癌の深達度診断の精度

著者: 門馬久美子1 吉田操2 榊信廣1 田島強3 岩崎善毅3 滝澤登一郎4

所属機関: 1東京都立駒込病院内科 2東京都立駒込病院外科 3東京都立駒込病院内視鏡科 4東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.157 - P.173

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要旨 食道表在癌を肉眼所見から高度隆起型0-Ⅰ(24例),軽度白色隆起型0-Ⅱa(7例),平坦型0-Ⅱb(13例),軽度陥凹型0-Ⅱc(30例),高度陥凹型0-Ⅲ(8例)の5型に分類し,表在癌82例の検討を行った.0-Ⅱb型は100%epであり,0-Ⅱa型の86%(6/7)はep~mm3であった,0-Ⅱc型の深達度はep~smまで広く,陥凹の深さや陥凹底および陥凹周囲の性状による深達度診断の正診率は,Ⅱc(ep)83%,Ⅱc(mm)94%,Ⅱc(sm)88%であった.0-Ⅰ型の96%(23/24)はsm2以上であり,0-Ⅲ型の75%(6/8)はsm3であった.診断困難な病変は2例3病変あり,病巣内のごく一部で浸潤したり,癌の浸潤に高度の線維化を伴っていた.食道表在癌外科切除例の検討から,ep~mm2癌はリンパ節転移がなく,局所治療にて根治できるため,現在,治療前の深達度診断の目標としているのは,ep~mm2とそれ以上の深達度のものを区別する点であり,0-Ⅱaと0-Ⅱc型病巣の深達度診断は,更に精密化する余地がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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