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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻2号

1992年02月発行

文献概要

今月の主題 食道表在癌の深達度を読む 主題

内視鏡による食道表在癌の深達度診断の精度

著者: 幕内博康12 町村貴郎12 水谷郷一12 島田英雄12 菅野公司12 徳田裕12 杉原隆12 田島知郎12 三富利夫12 大森泰2 重田廣昌2 熊谷義也3

所属機関: 1東海大学医学部外科 2慶応がんセンター 3三越厚生事業団三越診療所

ページ範囲:P.175 - P.184

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要旨 食道表在癌の深達度を術前に正確に診断することは,治療方針を決定するうえで重要である.現在では色素法,拡大法を含めて内視鏡による診断が最も正確で普遍性があり有用と考える.ep・mm・sm癌の内視鏡所見を示し,深達度診断上の注意点につき述べた.143例の食道表在癌のうち切除標本の病理学的検索で深達度の判明している118例では,正診98例83.1%,深く読みすぎたもの11例9.3%,浅く読みすぎたもの9例7.6%であった.問題となるのはmmと診断してsmだった5例4.2%であったが,いずれも微小なsm浸潤(sm1)であり,予後も良好であった.microscopicな浸潤は読みにくく,3cm以上のmm癌はsm1である可能性が高く,白色調の隆起は見た目より浅い.内視鏡による深達度診断は満足しうるものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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