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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻2号

1992年02月発行

文献概要

今月の主題 食道表在癌の深達度を読む 主題

超音波内視鏡で食道表在癌がどこまで読めるか

著者: 神津照雄1 有馬美和子1 菱川悦男1 小出義雄1 磯野可一1

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科

ページ範囲:P.213 - P.221

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要旨 近年の内視鏡診断技術の向上により早期の食道癌の発見数は飛躍的に増加した.そしてごく早期の癌であれば外科手術によらなくても内視鏡的治療が可能になった.その際,最も大切なことは癌の深達度診断である.最近では深達度mm,smの癌がそれぞれ3段階で術前診断および病理組織診断がなされている.従来のEUSでは粘膜下層の層構造の侵蝕程度からM-SM1,SM2,SM3と区分してきた.それぞれの深達度診断の一致率は92.8%,71.4%,80%であった.現状ではEUSの診断能は標本割面のルーペ像を肉眼視する程度である.しかし最近開発された20MHzの周波数の高い装置では粘膜筋板の描出が可能となり,癌巣を直接描出し診断できるようになった.今後の展望として食道表在癌も超音波の画像から立体的に癌の量として表現されてくるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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