icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻2号

1992年02月発行

症例

上行結腸の狭窄型虚血性大腸炎の1例

著者: 向井俊一1 上村直実1 山口修司1 土井謙司1 日野理彦2 三好信和3 中井隼雄3 三宅正淑45 佐々木なおみ6 嶋本文雄6

所属機関: 1呉共済病院消化器科 2呉共済病院内科 3呉共済病院外科 4呉共済病院放射線科 5現 赤穂中央病院放射線科 6呉共済病院臨床病理科

ページ範囲:P.247 - P.253

文献概要

要旨 患者は49歳,男性.肝SOLの精査目的にて入院.血管造影で肝細胞癌と診断され,抗癌剤溶解リピオドールの動注が行われた.その後,下血が出現,注腸X線検査で上行結腸に進行大腸癌を疑わせる全周性潰瘍とapple core様所見を認めたが,同部位からの内視鏡生検ではGroup 1であった.持続する下血,subileus状態および癌が否定しきれないことより手術を行った.切除標本では7×3cm,3×0.7cmの2つの浅い潰瘍で,組織学的にUl-Ⅱの潰瘍性病変にヘモジデリン沈着があり,粘膜下織から漿膜下,更に結腸間膜に組織球を主体とするlipogranulomatousな炎症性変化を認め,虚血性大腸炎,狭窄型と診断した.特殊染色により,結腸間膜脂肪織などにリピオドールが証明され,それによる腸管壁の微小血管の閉塞が本例の成因と推定された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら