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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻2号

1992年02月発行

症例

生検組織固定標本よりTreponema pallidumが証明された胃梅毒の1例

著者: 村井アトム1 関弘明1 片山寛次1 嶋田紘1 中川原儀三1 三宅敏彦2 山村真由美3 木村良平3

所属機関: 1福井医科大学第1外科 2福井医科大学付属病院中央検査部 3木村病院内科

ページ範囲:P.254 - P.258

文献概要

要旨 患者は26歳,男性.内視鏡検査にて幽門前庭部に周囲に白色調の隆起を有する不整形の粘膜病変の多発を認めた.2週間後,病変は進展しており一見Borrmann 4型胃癌様所見を呈した.胃梅毒を疑い駆梅療法を開始したところ,1か月後には内視鏡所見の著明な改善を認めた.後日,酵素抗体ABC法にて生検組織問定標本の切片よりTreponema pallidumを証明し胃梅毒の確定診断を得た.近年早期梅毒患者が増加しているが,多彩な胃粘膜病変を認めた場合には,臨床医は胃梅毒の可能性のあることを病理医に報告することが大切であり,病理医は積極的に特殊染色を行いTreponema pallidumの検出に努めなければならないと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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