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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻3号

1992年03月発行

今月の主題 腸型Behçet病・simple ulcerの経過

主題

腸型Behçet病とsimple ulcerの臨床経過―疾病史からみた腸型Behçet病とsimple ulcerの異同

著者: 多田正大1 傍島淳子1 清水誠治1 岡村雅子1 伊藤義幸1 杉本鏞正1 磯彰格1 大塚弘友1 川井啓市2

所属機関: 1京都第一赤十字病院第2内科 2京都府立医科大学公衆衛生

ページ範囲:P.313 - P.318

文献概要

要旨 単純性潰瘍と腸型Behçet病,そして完全型Behçet症候群の異同について検討する目的で,疾病史としての立場からこれらの疾患患者の臨床経過を検討した.有症状期に全消化管のX線または内視鏡検査を行い,潰瘍性病変の有無を検索した結果,単純性潰瘍では病変部位は回盲部,切除例では吻合部近傍であることが多かった.腸型Behçet病では回盲部に下掘れ潰瘍が発生したが,食道以外のすべての消化管にも,一過性であるにせよ,小びらん,アフタ様潰瘍が散在することが多かった.Behçet症候群では十二指腸や空腸に小びらんがみられたが,回盲部には病変はみられず,各疾患で病変範囲に若干の差があった.単純性潰瘍と腸型Behçet病の臨床症状を解析した結果,完全型Behçet症候群としての症状が後日になって発現したことはなく,各疾患間の移行は確認されなかった.したがって現段階では各々の疾患は同一疾患であるとする証拠はみられなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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