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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻3号

1992年03月発行

文献概要

今月の主題 腸型Behçet病・simple ulcerの経過 主題症例

回盲部単純性潰瘍の術後に胃回腸結腸瘻を形成し,再発を繰り返した1例

著者: 高見元敞1 花田正人2 藤本高義1 奥村幸康1 高田俊明1 北田昌之1 塚原康生1 柴田高1 斉藤真文1 木村正治1 吉井町子3 黒島俊夫4

所属機関: 1市立豊中病院外科 2市立豊中病院病理 3市立豊中病院放射線科 4大阪大学医学部第2内科

ページ範囲:P.319 - P.326

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要旨 患者は32歳,男性(韓国人).5年前に,韓国(ソウル)で回盲部の潰瘍性病変に対して右半結腸切除術を受けている.1987年日本に留学.同年12月中旬から食欲不振,嘔気,嘔吐を来して近医を受診し,12月末,当科に紹介された.精査の結果,まず胃結腸痩(糞瘻)の存在が指摘され,その後の検索で,初回手術後の回腸横行結腸吻合部に生じた吻合部潰瘍と,それに起因する胃回腸結腸瘻(gastroileocolic fistula)と診断し,再手術(胃幽門側切除,回腸横行結腸部分切除術)を施行した.病理診断は回腸結腸吻合部の非特異性潰瘍(単純性潰瘍)に基づく胃回腸結腸瘻で,切除した回腸に多数の非特異性潰瘍が認められた.消化性潰瘍の術後やCrohn病の合併症例として胃小腸結腸瘻を来すことは知られているが,単純性潰瘍の術後に発生したとの報告はなく,本例が初めての報告例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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