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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻3号

1992年03月発行

今月の主題 腸型Behçet病・simple ulcerの経過

主題症例

右側結腸に大きな潰瘍の多発を認めたBehçet病の1例

著者: 中野浩1 高野映子1 近藤東仁1 大橋秀徳1 保原怜子1 倉本徹1 渡辺真1 高濱和也1 星野知久1 北川康雄1 宮地育郎1 伊藤圓1 水野謙司2 川瀬恭平2 三浦馥2

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部消化器内科 2藤田保健衛生大学医学部外科

ページ範囲:P.327 - P.332

文献概要

要旨 患者は15歳,女性.右下腹部痛を主訴に来院.口腔内アフタ,座創様皮疹,陰部潰瘍を認め,ぶどう膜炎の既往があったことから,完全型Behçet病と診断された.注腸X線検査で上行・横行結腸に多発する大きな潰瘍を認め,これらをBehçet病の腸管病変と診断した.栄養療法,副腎皮質ホルモンの投与で,1か月後,これらの潰瘍は治癒したが,1年2か月後に再発,その7か月後には穿通,膿瘍,皮膚瘻を形成した.皮膚瘻は閉鎖せず,7か月後に手術が行われた.切除された腸管は浮腫状であったが開放性潰瘍は認められなかった.病理組織学的には,粘膜下層の線維化と炎症性細胞の浸潤がみられる瘢痕像と非特異性の炎症像が認められるのみであった.Behçet病の腸潰瘍が上行・横行結腸に,このような大きな形で多発してみられることは非常にまれなことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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