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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻3号

1992年03月発行

文献概要

症例

回盲部腫瘤を呈した急性憩室炎(粘膜下層内)の1例

著者: 箱崎幸也1 白浜龍興1 加藤雅士1 武井一雄1 野村勉1 真方良彦1 大庭健一2 山田省一2 石山賢3 馬淵基樹4 佐藤亮五5 吉峰二夫5 和田了5 桑原紀之5

所属機関: 1自衛隊中央病院内科 2自衛隊中央病院外科 3自衛隊中央病院病理 4三宿病院内科 5順天堂大学医学部第1病理

ページ範囲:P.361 - P.365

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要旨 患者は47歳,男性.下血にて緊急大腸内視鏡検査を施行し,回盲部腫瘤からの出血を認め,入院2日目には自然止血した.注腸造影検査では,回盲部虫垂開口部位に陰影欠損像が認められ,中心部にバリウムが入り込む像がみられ,比較的典型的な憩室炎像であった.しかしその後も右下腹部の鈍痛が持続し,大腸内視鏡検査でも白苔を伴う表面平滑で発赤した平坦な隆起性病変が認められ,悪性疾患も完全に否定しきれないことから回腸右半結腸切除術を施行した.切除材料にて粘膜下層内にとどまる憩室炎と診断した.隆起性病変を呈した粘膜下層内憩室炎は非常にまれであり,粘膜下侵入腺との鑑別や緊急大腸内視鏡検査の意義について考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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