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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻4号

1992年04月発行

今月の主題 大腸のいわゆる結節集簇様病変

主題

“結節集簇様大腸病変”の画像診断とその経過

著者: 石川勉1 牛尾恭輔1 宮川国久1 水口昌伸1 水口安則1 山田達哉1 横田敏弘2 廣田映五3 板橋正幸3

所属機関: 1国立がんセンター病院放射線診断部 2国立がんセンター病院内科 3国立がんセンター病院研究所病理

ページ範囲:P.389 - P.398

文献概要

要旨 国立がんセンターで1991年8月までに結節集簇様病変と診断された62症例63病変と随伴性の結節集簇様病変(病変の一部~大部分に結節集簇様病変を認めるもの)10症例10病変を対象に検討した.平均年齢61.9歳,男女比は約3:2であった.結節集簇様病変のX線・内視鏡所見では病変の拡がりに比べて背が低く,平盤状の形態を示し,表面は大小の結節(1~7mm)の集簇から成っていた.生検結果は腺腫が多く,63例中26例は絨毛管状腺腫,17例は管状絨毛腺腫であった.病変全体が切除された25例では16例が腺腫,8例が腺腫内癌,1例のみsmへの浸潤癌であり,治療法の選択に際し,過大な手術を避ける必要がある.随伴性の結節集簇様病変10例中9例において,隆起あるいは無構造な陥凹部分でsmあるいはpm以上の癌の浸潤が認められた.経過観察された7症例では結節集簇様病変の発育進展はゆっくりであり,数mmの結節の集合した初期像から結節の数と大きさを増大させながら,結節の集簇した形態を保持したまま発育していくと推測された.また,異時性・同時性の大腸癌15例,他臓器癌13例(胃癌5例,乳癌2例,甲状腺癌2例,皮膚癌,卵巣癌,肺癌,食道癌各1例)の合併がみられた.また,cancer family syndromeが2例含まれていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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