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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻4号

1992年04月発行

文献概要

今月の主題 大腸のいわゆる結節集簇様病変 主題

大腸の結節集簇様病変の臨床病理学的検索

著者: 岩下明徳1 山田豊1 八尾隆史2 有田正秀13 八尾建史13 内田泰彦3 八尾恒良3 平川克哉4 渕上忠彦4 村山寛5

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理 2九州大学医学部第2病理 3福岡大学筑紫病院消化器科 4松山赤十字病院胃腸センター 5福岡大学医学部第1病理

ページ範囲:P.409 - P.419

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要旨 大腸結節集籏様病変59例61病変について,臨床病理学的立場から検討した.本腫瘍は直腸(32病変)からS状結腸(10病変)に好発し,肉眼的にはすべて広基性で,平均4.8cm大の低い隆起性病変であり,表面は顆粒,脳回,絨毛状を呈し,色調は褐色調のものが多い.組織学的には腺腫内癌35と腺腫26病変に分類された.腺腫部は腺管絨毛腺腫43病変と腺管腺腫18病変に分けられ,中等度異型18,高度異型43病変であった.癌併存は通常の腺腫と同様,大きさと異型度に比例して高くなった.また,腺腫構成細胞として,杯細胞が51,Paneth細胞が41,好銀性細胞が47,銀還元性細胞が35病変に認められた.以上の結果から,本病変は腺腫を主体とするが,癌を併存する率が高いことを指摘し,併せてその発生や絨毛腫瘍との異同について簡単に考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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