文献詳細
症例
文献概要
要旨 患者は21歳,女性.十二指腸潰瘍として内科的治療が施行されていたが,治療に抵抗し,手術目的にて当科入院となった.入院後の精査で,十二指腸の狭窄のほかに,小腸,大腸にも病変を認め,Crohn病と診断した.salazosulfapyridineの投与および中心静脈栄養にて,自他覚的に症状の改善がみられ,外来通院での管理が可能となった.胃・十二指腸Crohn病はまれであり,本邦では自験例を含め13例の報告があるが,内科的治療にて寛解したのは4例のみである.本症の内科的治療の長期的予後は明らかでなく,今後も慎重な経過観察が必要である.
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