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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻4号

1992年04月発行

症例

経過観察しえた結節性動脈周囲炎による虚血性大腸炎の1例

著者: 村田育夫1 水田陽平1 芳賀英章1 西畑伸二1 久保啓吾1 船津史郎1 千住雅博1 今西建夫1 牧山和也1 原耕平1 田中俊郎2 中村憲章2

所属機関: 1長崎大学医学部第2内科 2長崎市立病院成人病センター

ページ範囲:P.475 - P.482

文献概要

要旨 結節性動脈周囲炎(PN)による虚血性大腸炎の1例を経験した.患者は39歳,男性で,腹痛,下血にて入院した.注腸造影で脾彎曲部を中心に横行結腸および下行結腸の一部にthumb-printing様の壁不整や狭窄を認め,大腸ファイバースコピーにて同部の粘膜の壊死,潰瘍,出血を認めた.虚血性大腸炎と考え,腹部血管造影を行ったところ,下腸間膜動脈に壁不整,狭窄,拡張,途絶を認めた.手掌皮膚の生検より壊死性血管炎の像が得られ,PNと診断した.ステロイドおよびcyclophosphamideで治療し,腸病変は経過中に一部再燃を示しながら治癒した.開腹せずにPNによる虚血性腸病変を確認し,その経過を観察できた症例は極めてまれであるため報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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