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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻4号

1992年04月発行

症例

ヒト蛔虫症による小児閉塞性イレウスの1例

著者: 押川克久1 今田真一1 大崎泰1 牧野一郎2 豊田清一2 前田守孝2

所属機関: 1椎葉村国民健康保険病院内科 2県立宮崎病院外科

ページ範囲:P.483 - P.487

文献概要

要旨 患者は3歳6か月,男児.主訴は腹痛,嘔吐,発熱.1991年7月9日夕食後,腹痛,嘔吐,発熱出現,翌10日当院受診,急性腸炎疑いで入院.入院時腹部単純X線写真ではX線不透過性の線状影を多数認めたが,急性腸炎として保存的治療を施行.しかし,腹部所見は改善せず7月12日夜蛔虫虫体を1隻吐出.翌13日,腹単で一塊となった蛔虫を示唆する異常陰影とniveauを認め,蛔虫症による閉塞性イレウスとの診断で県立宮崎病院に転院,手術を施行.開腹時に小腸内腔を閉塞する一塊となった蛔虫を認め,腸切開を加え91隻の虫体を摘出した.蛔虫症は環境衛生の向上に伴い最近ではまれな疾患とされているが,現在でもなお,急性腹症の一因として念頭に置く必要があると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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