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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻5号

1992年05月発行

文献概要

今月の主題 linitis plastica型胃癌診断の現状 主題 Ⅰ.linitis plastica型胃癌診断の現状―胃底腺領域との対比において

胃集検におけるlinitis plastica型胃癌診断の現状

著者: 岡村泰賢1 小西ちさと1 増田幸久1 丸山雅一1 馬場保昌2

所属機関: 1癌研究会附属病院検診センター 2癌研究会附属病院内科

ページ範囲:P.539 - P.550

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要旨 胃集検で発見される胃底腺粘膜領域早期癌の数は近年急増しているが,linitis plastica型胃癌の発見数にはほとんど変化が認められなかった.検診発見の胃底腺粘膜領域早期癌およびlinitis plastica型胃癌の原発巣の大きさ,肉眼型,組織所見の比較検討からは,集検発見の胃底腺領域早期癌は中村らのいうlinitis plastica型胃癌の初期病変とは異なっており,現時点において,胃集検はlinitis plastica型胃癌の早期発見に大きく寄与しているとは言えなかった.更に,胃集検でlinitis plastica型胃癌の初期病変を捉えるためには間接X線写真の質を向上させることが必要条件であり,その条件が満たされたうえでlinitis plastica型胃癌死亡率減少に対する胃集検の寄与度の再評価がなされるべきであろう.また,linitis plastica型胃癌の遡及的検討で,その初期像と考えられる病変の描出が2例に認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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