今月の主題 linitis plastica型胃癌診断の現状
主題 Ⅰ.linitis plastica型胃癌診断の現状―胃底腺領域との対比において
linitis plastica型胃癌と胃底腺領域癌の年代的推移―集検受診群と病院受診群を対比して
著者:
北川晋二1
本岡慎2
田中啓二3
古澤元之介4
古賀充5
八尾隆史6
所属機関:
1福岡大学医学部放射線科
2九州大学医学部放射線科
3福岡市医師会成人病センター
4国立病院九州がんセンター消化器外科
5国立病院九州がんセンター放射線科
6九州大学医学部第2病理
ページ範囲:P.565 - P.578
文献購入ページに移動
要旨 linitis plastica型胃癌(以下,LP型癌)と胃底腺領域癌を,集検受診群と病院受診群に分け,15年間の推移を比較検討した.LP型癌の年代的な数は,集検・病院群ともに変化なかったが,発見胃癌に対する割合は,集検群において漸減していた.男女間では両群ともに女性に多かった.LP型癌の平均年齢は,集検群の男性を除き,胃癌全体に比し4~6歳若かった.胃底腺領域癌の年代的な数,頻度は,両群間に差がなかった.発見胃癌に対する割合は,集検群平均12.8%,病院群平均9.8%であった.進行度別にみると,両群とも進行癌が減少し,早期癌が増加していた.女性に多く,平均年齢ではLP型癌と同じ傾向であった.LP型癌の予後は,5年累積生存率で,集検群9.5%,病院群8.1%と差がなかった.