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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻5号

1992年05月発行

文献概要

今月の主題 linitis plastica型胃癌診断の現状 主題 Ⅱ.linitis plastica型胃癌早期診断へのアプローチ

linitis plastica型胃癌の成立と癌性リンパ管症

著者: 滝澤登一郎1 岩崎善毅1 小池盛雄1

所属機関: 1東京都立駒込病院病理

ページ範囲:P.591 - P.598

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要旨 典型的なlinitis plastica型胃癌(LP型癌)73例を対象として,癌性リンパ管症の問題を中心に他の進行癌と比較検討した.LP型癌について従来から報告されていた,若年層に多く,女性に優位で,癌の組織型は低分化型であるという事象を再確認した.LP型癌は,半数以上に癌性リンパ管症を合併し,他の進行癌と比較して極めて高い頻度である.癌性リンパ管症は,壁浸潤が深達度ss以上の高度進行癌に進展する過程で2次的に派生する病態で,体部腺領域の癌により合併しやすい.LP型癌で,癌性リンパ管症を合併する群と非合併群とを比較すると,平均年齢に明確な差が存在し,臨床像と成立過程が異なる2群が存在する可能性がある.LP型癌の初期病変は体部腺領域の低分化単純型癌で,比較的小さなうちに深部に浸潤したⅡc類似進行癌を早期のLP型癌の一典型と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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