icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻5号

1992年05月発行

文献概要

症例

食道壁内囊腫の1例

著者: 深野史靖1 小泉博義1 小澤幸弘1 南出純二1 逢坂由昭1

所属機関: 1神奈川県立がんセンター外科第1科

ページ範囲:P.611 - P.614

文献購入ページに移動
要旨 食道壁内囊腫の1例を経験したので報告する.患者は68歳,女性.入院時,軽度貧血を認めた以外,理学的・血液学的に異常を認めず,食道造影,食道壁層造影,内視鏡,超音波内視鏡,CTにて,胸部中部食道壁内に4×3cmの囊腫様食道粘膜下腫瘍を認め手術を施行した.腫瘤は食道壁内に埋没するように存在していた.病理組織学的には線毛上皮で覆われ,腫瘤壁は比較的よく発達した平滑筋層からなり,食道囊腫(duphcationcyst)と診断した.発生学的に胎生期前腸の発達異常と言われており,成人においては偶然発見されることも多いが,破裂・癌併存の報告もあり,外科的切除の適応である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?