icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻6号

1992年06月発行

文献概要

症例

13年間の経過観察中に癌化を来した胃過形成性ポリープの1例

著者: 平林靖士1 森田稔1 兵頭一之助1 和田俊裕1 神野健二1 石光鐵三郎1 小糸光2 万代光一3 森脇昭介3

所属機関: 1国立病院四国がんセンター内科 2国立病院四国がんセンター放射線科 3国立病院四国がんセンター病理

ページ範囲:P.691 - P.694

文献購入ページに移動
要旨 患者は64歳,女性.1976年に胃前庭部大彎に10mm大の有茎性で赤色調,表面平滑な過形成性ポリープを認めた.以後79,81,85年に内視鏡検査を施行し,いずれの時期も著変なく,生検はGroup Iで過形成性ポリープであった.ところが87年に隆起は増大し,このときの生検はGroup Iであったが,89年には隆起は更に増大し分葉傾向を示し,生検はGroup Vであった.内視鏡的ポリペクトミーを施行し,切除標本は大きさ25×17mm,病理組織学的には大部分は過形成で癌は表層の一部に認めるのみで,組織型tub2,深達度m,v0,ly0であった.癌を一部に伴った胃過形成性ポリープの報告は散見されるが,癌化の過程を長期間にわたり内視鏡的に観察できた症例の報告は極めてまれであり,報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?