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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻6号

1992年06月発行

文献概要

症例

特異な“きのこ雲状”注腸像を示した横行結腸原発びまん浸潤型粘液癌の1例

著者: 富永雅也1 渕上忠彦1 岩下明徳2 川元健二3 松坂俊光4

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2松山赤十字病院病理 3松山赤十字病院放射線科 4松山赤十字病院外科

ページ範囲:P.701 - P.706

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要旨 患者は64歳,女性.発熱,下痢,左上腹部痛,嘔気を主訴とし来院.上部消化管X線検査で胃体部大彎に管外よりの圧排所見を認め当科入院.注腸造影で横行結腸肛門側に約13cmにわたって粘膜ひだの肥厚したなだらかな管腔狭小化像と,その中央部の約1.5cm大の潰瘍に引き続く特異な“きのこ雲状”陰影を認めた.炎症反応強陽性,抗生物質の有効性より膿瘍など炎症性疾患との鑑別に苦慮したが,横行結腸原発の癌を疑い開腹すると,同部より頭側に浸潤し胃体部,脾門部に癒着する大きな腫瘤形成を認めた.開腹術約3か月後に死亡.剖検では組織学的に著明なリンパ管侵襲を伴う横行結腸原発びまん浸潤型粘液癌であり,腫瘍塊の内部には注腸時のバリウム,糞塊の残存が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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