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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻6号

1992年06月発行

文献概要

研究

虚血による大腸の管状狭小化の成因の考察―動脈塞栓術後の虚血性大腸炎の1例の検討から

著者: 大井秀久1 西俣寛人1 徳重浩一1 加藤修一1 上山教夫1 西俣嘉人1 有馬暉勝1 佐伯啓三2 末永豊邦3

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科 2みどり病院消化器内科 3南風病院外科

ページ範囲:P.727 - P.735

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要旨 虚血性腸炎のX線像でしばしば認める管状狭小の成因を知るために,憩室からの出血に対し動脈塞栓術を施行し,その後に生じた虚血性病変について,切除標本のmicroangiographyをもとに障害血管と病変との関係を検討した.切除標本では3本の直動脈起始部とその辺縁動脈は塞栓物質で閉塞し,その周囲の辺縁動脈には狭小化のみ認められた.辺縁動脈の閉塞している範囲ではUl-Ⅱ~Ul-Ⅳの潰瘍を生じ,狭小化のみの範囲には病変を認めなかった.X線像で管状狭小を来す病変は,病変(管状狭小)よりもやや広い範囲の辺縁動脈の血流障害に起因していると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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