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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻7号

1992年07月発行

今月の主題 出血を来した小腸病変の画像診断

主題

出血を主症状とした小腸腫瘍の診断

著者: 渕上忠彦1 堺勇二1 市丸壽彦1 松坂俊光2 臺丸裕3 村田繁利4 岩下明徳5

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2松山赤十字病院外科 3松山赤十字病院病理 4松山赤十字病院放射線科 5福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.767 - P.776

文献概要

要旨 1980年4月から1991年12月までに当院で手術された原発性小腸腫瘍は28例(悪性リンパ腫11例,癌10例,平滑筋腫瘍5例,脂肪腫2例)であった.発見手段は経口的小腸X線検査20例,血管造影3例,手術5例であった.腹痛などの閉塞症状を有する腫瘍は全例,経口的小腸X線検査にて発見されていた.下血を主症状とした腫瘍は7例(25%)で,平滑筋腫瘍4例,癌2例,悪性リンパ腫1例であった.下血を主訴とし閉塞症状を有さない病変は全例,非上皮性腫瘍で,これらの発見手段は小腸X線検査2例(平滑筋肉腫,悪性リンパ腫各1例)で,残りの3例はいずれも平滑筋腫瘍で血管造影にて発見されていた.閉塞症状を伴わない消化管出血患者の診療においては,管外性に発育した小腸平滑筋腫瘍を念頭に置き検査を進めるべきと考えられた.検査の第1選択としては,経口的小腸X線検査またはゾンデ法小腸X線検査とし,この時点で病変が発見できなかった場合,または急を要する場合には,選択的上腸間膜動脈造影が有効と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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