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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻7号

1992年07月発行

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書評「標準救急医学」 フリーアクセス

著者: 出月康夫1

所属機関: 1東京大学第2外科

ページ範囲:P.812 - P.812

文献概要

 救急医学は,医学・医療の先進国であるはずのわが国で最も立ち遅れた領域である.これは救急医療の体制づくりが十分でなかったこともあるが,救急医学とはどういうものかという概念も明確でなく,救急医学,救急医療についての教育が医学校でも,また卒後研修においてもほとんどなされてこなかったことにも原因がある.

 救急患者,救急医療は臨床医学のどこの領域にも存在する.外科には外科の,内科には内科の,眼科には眼科の救急患者が存在する.そのため,“救急医学・救急医療”というまとめ方をした場合に,どこまでを,誰が,どのように治療し対処するのかが明確になりにくいことも事実である.救急患者であっても,また救急患者であるからなおさらその初療が重要であり,その道の専門家がなすべきであるという側面がある.したがって,救急医学という学問体系,そしてその担当者がどのような専門家であるのかが,わが国ではまだ広く理解されていなかったように思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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