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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻7号

1992年07月発行

文献概要

今月の主題 出血を来した小腸病変の画像診断 主題症例

薬剤性小腸潰瘍による大量出血の1例

著者: 五十嵐正広1 勝又伴栄1 小林清典1 西元寺克禮1 高橋俊毅2 三富弘之3 中英男3

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科 2北里大学東病院外科 3北里大学東病院病理

ページ範囲:P.813 - P.817

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要旨 非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)による出血性小腸大腸潰瘍の1例を報告する.患者は68歳,男性.15年前より慢性関節リウマチで経過観察されていた.転倒打撲に対し,Indomethacin坐薬(100~150mg),Pronoprofen(225mg/day)を18日間投与された後,大量の下血で発症.術中内視鏡所見では回腸~空腸の広範囲にほぼ円形の多発潰瘍を認めた.潰瘍は腸間膜反対側に分布し,多くはUl-Ⅱの浅い潰瘍で打ち抜き状を呈し,正常粘膜との境界は明瞭であった.NSAIDs起因性小腸潰瘍の診断基準はいまだ明らかではないが,臨床経過,病理組織所見などからNSAIDsに起因する小腸潰瘍の典型例と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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