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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻7号

1992年07月発行

今月の主題 出血を来した小腸病変の画像診断

主題症例

大出血を来し画像的に異所性胃粘膜と潰瘍を描出しえたMeckel憩室の1例

著者: 木庭郁朗1 牛尾恭輔1 尾田恭1 佐竹光夫1 宮川国久1 水口安則1 石川勉1 松江寛人1 山田達哉1 横田敏弘2 杉原健一3 森谷冝晧3 北條慶一3 落合淳志4 板橋正幸4 廣田映五4

所属機関: 1国立がんセンター病院放射線診断部 2国立がんセンター病院内科 3国立がんセンター病院外科 4国立がんセンター研究所病理部

ページ範囲:P.837 - P.840

文献概要

要旨 患者は34歳,男性.1990年11月,下血を主訴に近医で合計3,000mlの輸血を受けた.上部・下部消化管精密検査にて異常所見を認めず,出血源が不明のため当センターに紹介された.下部消化管造影検査では出血源は不明で経過観察となった.1991年9月,頻回の下血があり,近医で合計1,000mlの輸血を受け,10月に再度,当センターを紹介され,小腸造影検査が施行された.小腸造影検査では回盲弁から約50cm口側の回腸に8×2cmの憩室を認めた.憩室の粘膜に胃小区模様と潰瘍が描出され,Meckel憩室からの出血と診断した.同年11月21日,血圧低下を伴う大量の下血があり,緊急手術として憩室切除術(楔状切除)が施行された.切除標本の組織学的検索では,各層の欠如のない真性憩室で,異所性胃粘膜と回腸粘膜にUl-Ⅲの潰瘍を認めた.小腸造影検査で術前に異所性胃粘膜と潰瘍が描出されたMeckel憩室の1例を報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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