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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻7号

1992年07月発行

文献概要

症例

虚血性十二指腸・空腸炎の1例

著者: 松井敏幸1 飯田三雄1 久保充明1 松本主之1 桑野恭行1 吉成元孝1 藤島正敏1 八尾隆史2 中垣充3 岩下明徳4

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第2病理 3九州大学医学部第1外科 4福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.849 - P.857

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要旨 患者は48歳,女性.1988年7月某医で左甲状腺癌摘出術後の化学療法施行直後にショック状態となり急性腎不全,大量の消化管出血を来し,同年9月当科入院.腹部血管撮影で異常なく,小腸X線・内視鏡検査にて,十二指腸第2部から上部小腸にかけて著明な浮腫と多発する深い潰瘍を認めた.中心静脈栄養にて1か月後に下血が消失し,潰瘍は縮小したが,空腸上部の狭窄が高度となったため同部を切除した.切除標本では炎症所見とヘモジデリン沈着が認められ,虚血性小腸炎と診断した.虚血の原因としては敗血症性ショックが考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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