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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻8号

1992年08月発行

今月の主題 表面型大腸腫瘍の臨床診断の諸問題

主題

表面型大腸腫瘍の診断―X線と内視鏡の対比を中心に

著者: 安藤正夫1 望月福治1 松永厚生1 池田卓1 野田裕1 長南明道1 佐藤自伸1 富永現1 鈴木陽子1

所属機関: 1仙台市医療センター消化器内科

ページ範囲:P.925 - P.934

文献概要

要旨 大腸表面型腫瘍の診断について,注腸X線検査を中心に検討した.検査受診動機では,無症状例が多かった.初回診断法としては,約20%がX線によるものであったが,読影時に指摘されていなかった例もあった.病変発見の手掛かりは,内視鏡検査においては,発赤や血管透見像の消失が重要であったが,X線的には陥凹型病変を含め,隆起としての透亮像が存在診断のきっかけであった.全体の描出率はルーチン検査で55%,精密検査で約89%である.X線描出に影響を与える背景因子として,肉眼形態,病変最大径,存在部位,X線の画質が考えられた.陥凹面の描出率は約65%であり,不整星状を呈する陥凹で描出率が高かった.通常のX線装置でも一定の条件が揃えば,微小陥凹型を含めた表面型腫瘍は良好に描出が可能であり,条件を整える工夫と注意深い読影が大切であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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