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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻8号

1992年08月発行

症例

食道アカラシアに合併した食道癌の1切除例

著者: 大橋信治1 岡村正造1 中川浩1 藤井康彰1 加藤忠1 伊藤久芳1 松井真寿美1

所属機関: 1豊橋市民病院内科

ページ範囲:P.977 - P.982

文献概要

要旨 患者は47歳,男性.6年前より食事時のつかえ感あり.このとき,近医の胃X線検査で食道拡張を指摘された.1991年の人間ドックで食道の異常を認め,当科へ紹介となった.食道X線検査では,著明な拡張とS字状の蛇行および不規則な収縮波を認めた.また,ⅠmからEiにかけて,表面がわずかに凹凸した3.3cm大の亜有茎性隆起性病変とその周囲のバリウム付着異常部を認めた.食道内視鏡検査では,切歯列より約26cmから38cmの12時~7時に発赤調の0-Ⅰ+Ⅱa+Ⅱc型病変を認め,ヨードに不染であった.以上より,食道アカラシアとこれに合併した食道癌と診断した.超音波内視鏡検査では,食道全域の拡張と壁の肥厚が認められ,0-1型腫瘍部での深達度はmpと診断した.病理組織学的には拡張した食道全域にわたり神経節細胞の減少と神経線維の変性,内輪筋を主とした食道壁の肥厚が認められ,アカラシアと診断された.また,これに合併した中分化型扁平上皮癌は,深達度mp,1y(+),v(-),n:1/76であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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