文献詳細
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文献概要
超音波内視鏡検査(以下EUSと略す)は,過去10年間に登場した消化器診療の新手技の中で,最も重要なものの1つであろう.消化器診断学におけるEUSの有用性に関しては,既に内外の学会等で意見の一致をみているが,装置さえあれば誰もがすぐに使いこなせるという,簡便な手技ではないことも確かである.現時点での評価を支えているのは,開発当初よりこの手技を手掛けてきたエキスパート達の手になるEUSであり,未だ普遍性を持つには至っていない.EUSが本当の意味で市民権を獲得できるかは,これからこの手技を学び,行うであろう多くの内視鏡医達が,どこまでこのレベルに迫れるかにかかっている.
このように新しい診療手技が普及していくプロセスをdiffusionと称しているが,一般にわが国の医学は,新しい手技の開発においては手際の良さを見せる一方,diffusionはあまり上手ではない.新手技について十分に学び,理解を深めようとはせず,先達の技術を見様見真似で行っていることが多いのが一因と思われる.海外の内視鏡医達が,時間と経費を惜しまず,系統だった講習を受け,短期間に大勢が一定のレベルに達している現状を知らねばならない.
このように新しい診療手技が普及していくプロセスをdiffusionと称しているが,一般にわが国の医学は,新しい手技の開発においては手際の良さを見せる一方,diffusionはあまり上手ではない.新手技について十分に学び,理解を深めようとはせず,先達の技術を見様見真似で行っていることが多いのが一因と思われる.海外の内視鏡医達が,時間と経費を惜しまず,系統だった講習を受け,短期間に大勢が一定のレベルに達している現状を知らねばならない.
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