文献詳細
今月の主題 逆流性食道炎を見直す
序説
文献概要
食道炎の原因は多彩であるが,とりわけ消化液の逆流が引き起こす食道粘膜の消化性損傷は,食道炎の中でも頻度が高い.慢性に経過し,重篤なものでは,食道壁の線維化や狭窄,潰瘍からの出血,更にBarrett上皮化を生じることがある.これまで本邦においては,頻度が低く,重篤例は少ないとされていたが,食餌や生活環境,体型の変化などにより逆流性食道炎の頻度,重症度も変化しつつあり,無視できないものになった.世界にその例をみない急速な高齢化を背景に,この疾患の重要性は今後ますます増大すると考えられる.
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