icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻9号

1992年09月発行

文献概要

今月の主題 逆流性食道炎を見直す 主題 Ⅱ.逆流性食道炎の治癒経過―staging

逆流性食道炎の治癒経過―staging―電子内視鏡による観察所見に基づいて

著者: 星原芳雄1 木暮喬2 橋本光代1 福地創太郎1

所属機関: 1虎の門病院消化器科 2東邦大学放射線医学教室

ページ範囲:P.1039 - P.1045

文献購入ページに移動
要旨 逆流性食道炎の内視鏡分類はSavary & Millerの分類が多く用いられているが,若干の問題点が指摘されており,われわれは拡がりに関するgrade分類と,個々のびらん・潰瘍そのものの治癒の過程を表示するstage分類とを併用している.幕内らはstageを急性期,治癒期,瘢痕期に分類しており,われわれの検討でもH2ブロッカーによる治療にて急性期,治癒期,瘢痕期と治癒が進むことが確認された.電子スコープにて再生上皮の表面微細構造を観察すると,H1からH2ではやや大きい桿状の微細紋様,H2からS1では中心に向かって線状に配列する細く境界の明瞭な紋様,S2では柵状の配列や周囲と類似した紋様がみられた.今回の検討にて,gradeは変化しないがstageは変化する症例が多く,その逆は少ないことより,両者を併用することの有用性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?