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文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻9号

1992年09月発行

症例

過敏性腸症候群に合併し内科的治療が奏効した直腸粘膜脱症候群の1例

著者: 赤星玄也1 吉田浩樹1 奈須俊史1 蓑田智憲1 安永晋一郎1 福元哲四郎1 夏目高明2 浜中保三3

所属機関: 1北九州市立医療センター癌センター内科 2北九州市立医療センター癌センター心療内科 3浜中内科胃腸科クリニック

ページ範囲:P.1083 - P.1087

文献概要

要旨 過敏性腸症候群(以下,IBS)と診断され治療を受けたが,症状改善のみられないまま7年経過後,直腸粘膜脱症候群(以下,MPS)を来しsalazosulfapyridine(以下,SASP)を含む内科的治療が有効であったと思われた1例を報告した.患者は17歳,男性.主訴はテネスムス,粘血便で,注腸造影,大腸内視鏡,超音波内視鏡検査,生検等よりMPSと診断された.治療として息み,排便回数を控えるよう心療内科的面接治療も行いつつ,緩下剤およびSASPの投与を行った.投薬開始1か月後に粘血便は消失し,2か月後には形態的にも著明な改善がみられた.MPSには長期のIBSの経過中にMPSを合併する例が含まれることが証明された症例と考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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