icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸27巻9号

1992年09月発行

症例

S状結腸憩室症に合併した粘膜脱と考えられる多発性隆起性病変の1症例

著者: 清水誠治1 多田正大1 柴田信博2 西上隆之3

所属機関: 1京都第一赤十字病院第2内科 2西宮市立中央病院外科 3兵庫医科大学第2病理

ページ範囲:P.1089 - P.1094

文献概要

要旨 患者は51歳,男性で,憩室症を伴うS状結腸に5個のポリープ様病変が認められた.手術標本では,発赤し周囲粘膜との境界が不明瞭な径17×9mm,20×15mmの2個の大きなポリープ様病変のほかに,3個の小隆起の存在が確認された.大きなポリープ様病変は組織学的には表層のびらん,腺管の増生・分岐・拡張,粘膜固有層における毛細血管の増生・拡張と共に線維筋症がみられ,粘膜下層には血管の壁肥厚・内腔狭小化が認められた.他の3個の小病変のうち1個では軽度の線維筋症が観察されたが,残りの病変では腺管の軽度の過形成が認められたのみであった.これらの組織学的所見は直腸粘膜脱症候群にみられる所見に類似しており,憩室症腸管において粘膜脱症候群と同様の機序により発生したポリープ様病変である可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら