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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻1号

1993年01月発行

文献概要

今月の主題 胃癌は変わったか―その時代的変遷 主題

胃癌の形態学的変遷―特に早期診断の進歩を中心として

著者: 西澤護1 志賀俊明1 細井董三1 岡田利邦1 斉藤雄介1 北野伸浩1 松下郁男1 金子弥樹1 長浜隆司1 松浦直孝1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.29 - P.38

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要旨 東京都がん検診センター外来で,18年間(1972~1989年)のうちに発見された胃癌の形態学的変遷と,50歳以上の性・年齢別構成の等しい健康人中から発見された胃癌について,12年間(1978~1989年)の形態学的変遷について考察し,次のような結果を得た.①外来発見癌については,Ⅰ型,およびⅠ型を含む早期癌の減少,Ⅱa型早期癌の増加,10mm以下の小胃癌の増加,Ⅱc類似進行癌の増加,Borrmann4(LPを含む)の増加などである.これらの変貌は早期胃癌の増加など診断の進歩による見かけ上の変化によるものが多い.②健康人中に存在する胃癌については,a)Borrmann4(LPを含む)を含む低分化型癌の増加,12年間の胃癌の罹患率に変化はない,b)Ⅱc類似進行癌の減少,である.a)は本質的な変化で,b)は見かけ上の変化と考えられる.多発早期胃癌は,発見された早期胃癌の12.5%と高頻度に認められ,粘膜切除術の施行に際し,今後十分に検討すべき課題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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