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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻1号

1993年01月発行

今月の主題 胃癌は変わったか―その時代的変遷

主題

胃癌の時代的変遷―病理形態学の立場から

著者: 石黒信吾1 辻直子1 日山與彦2 木下典子2 古河洋3

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理検査科 2大阪府立成人病センター調査部 3大阪府立成人病センター外科

ページ範囲:P.59 - P.63

文献概要

要旨 胃癌の罹患率は1963年以後減少している.この原因を究明するために,大阪府立成人病センターの外科手術例を用いて,手術時年齢50~59歳の症例を明治,大正,昭和生まれに分けて病理学的所見を検討した.明治,大正,昭和となるにつれて,有意に肉眼型では限局型が減少し浸潤型が増加し,組織型では分化型が減少し未分化型が増加し,腸上皮化生の高度なものは減少していた.以上の結果から,明治,大正,昭和となるにつれて,腸上皮化生が減少し,分化型癌の減少と相対的に未分化型癌が増加し,それを反映して肉眼型では限局型が減少し,相対的に浸潤型が増加したものと思われた.罹患率の低下は腸上皮化生の減少による可能性があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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