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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻10号

1993年09月発行

文献概要

今月の主題 胃悪性リンパ腫―診断の変遷 主題

胃原発悪性リンパ腫の病理学的特徴

著者: 小野伸高1 若狭治毅1

所属機関: 1福島県立医科大学第1病理

ページ範囲:P.1007 - P.1012

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要旨 胃をはじめとする節外組織には多くの場合,先天的にリンパ濾胞の形成は認められない.このことからもリンパ節を構成するリンパ球とはその性質や機能が異なると考えられる.胃にはリンパ節と同様に様々な型の悪性リンパ腫がみられるが,Bリンパ腫がほとんどで,びまん性大細胞型,びまん性中細胞型が多い.Tリンパ腫の発生は非常にまれである.これらの悪性リンパ腫は組織発生上,前濾胞中心細胞,濾胞中心細胞および後濾胞中心細胞由来に分けられ,組織学的,免疫組織化学的に分類できる.これらの特徴により分類できないとき,免疫グロブリンやTレセプターの再構城,更にbcl-1やbcl-2などを用いた分子生物学的所見が参考となることもある.Isaacsonらの提唱したMALTリンパ腫は粘膜を有する節外性組織にのみ認められる.その特異な細胞像や免疫組織学的所見からマントル層外層(marginal zone)のリンパ球由来が考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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