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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻10号

1993年09月発行

今月の主題 胃悪性リンパ腫―診断の変遷

主題症例

胃原発未分化大細胞性リンパ腫(Ki-1陽性リンパ腫)の1例

著者: 二階堂孝1 藤崎順子2 高木敬三1 池上雅博1 下田忠和1 井上勇之助3

所属機関: 1東京慈恵会医科大学病理 2東京慈恵会医科大学内視鏡科 3井上医院

ページ範囲:P.1075 - P.1082

文献概要

要旨 患者は77歳,男性.心窩部痛,胃部不快感を主訴に来院.胃二重造影により潰瘍を有する透亮像を認め,内視鏡検査で胃体上部から穹窿部にかけて,白苔が覆った潰瘍を伴う5×4cm大の隆起性病変を認めた.立ち上がりは急峻で,一部bridging fold様のひだを認めた.悪性リンパ腫を含む非上皮性の腫瘍を疑い,胃全摘術を施行.組織学的には核の多形性に富み,豊富な胞体分化を有する類円形腫瘍細胞のびまん性~cohesiveな増殖を認めた.未分化癌を鑑別すべき所見であったが,免疫組織化学的にBer-H2(CD30),EMAの細胞表面および傍核領域(ゴルジ野)に陽性所見を認め,CAM5.2が陰性であることからKi-1陽性リンパ腫と診断した.臨床的所見は悪性リンパ腫に相応する所見であったが,組織学的に低分化癌との鑑別を要した.節外性のKi-1陽性リンパ腫として,現在までに報告されている12例の消化管発生例と併せて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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