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文献詳細

雑誌文献

胃と腸28巻10号

1993年09月発行

文献概要

今月の主題 胃悪性リンパ腫―診断の変遷 主題症例

胃reactive lymphoreticular hyperplasiaの経過観察中に見出された胃悪性リンパ腫の1例

著者: 堺勇二1 飯田三雄1 八尾隆史2 松井敏幸3 岩下明徳4 藤島正敏1

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2九州大学医学部第2病理 3福岡大学筑紫病院内科 4福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.1083 - P.1090

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要旨 患者は74歳,男性.心窩部痛を主訴に来院.胃X線および内視鏡検査で多発潰瘍を伴う顆粒状粘膜を認め,生検組織像と併せ胃RLHと診断した.3年10か月間の経過観察後,体下部の不整形潰瘍の生検で悪性リンパ腫と診断,胃全摘術を施行した.切除胃の肉眼所見では,体部に多発潰瘍瘢痕を伴う粗糙な粘膜と共に体下部大彎,前庭部小彎に丈の低い小隆起を認め,組織学的には悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫,びまん性,大細胞型)とRLHの並存と診断した.また,胃周囲リンパ節にはHodgkin病の組織像を認め,広義の複合リンパ腫に相当すると考えた.本例は胃RLHの悪性化を示唆する貴重な症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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